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八犬伝ではない、本当の里見氏が房総に居たことを知っていますか?
歴史書に書いてある事だけが歴史ではない。
驚きと発見、里見氏ゆかりの人々が綴る伝承の数々。

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ご挨拶

戦国時代、房総の地に覇を称えた大名、房総里見一族のおこりについてこれまで多くの研究がありました。しかし未だその出自については謎のままです。古文書や金石文を事細かく調べても、系図、軍記物語に頼ってみてもやはりわからないといいます。
 今ともなればもう遡る事の出来ない遠い霞の彼方の事なのでしょう。ところがわからないということは同時に魅力でもあると思うのです。研究者は仮説をたて作家は創作をする事が出来ます。同時に里見氏ゆかりの地では多くの伝承が生まれ語り継がれることとなりました。伝承の多くは当てにならないもの、証拠のないものとして見過ごされがちですが共にゆかりの品も多く残され、伝えられています。

 この写真展は里見氏の歴史と伝承に深く関わりのある寺社や個人宅に伝わる物、景観、そしてこれらを伝える人達を捉え記録したものです。タイトルの「里見人」(さとみびと)とはゆかりの土地で伝承を語ってくれた方々から感じたイメージで付けさせていただきました。
 長い時間に隔てられ伝説や伝奇小説となりながらも確かに存在した里見氏。かの地ではかつての戦乱と不意の静けさとの混在が地霊のように息づき、人々と共に今を形づくっていることに気付かされます。失われつつも続く「痕跡と忘却」の歴史を感じていただければと思います。皆様のご来館をお待ちしております。